あわや内科・循環器内科

横浜市旭区の 内科,循環器内科 あわや内科・循環器内科

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生活習慣病、心臓病の最新治療等について(2009年9月改訂)

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生活習慣病、心臓病の最新治療等について(2009年9月改訂)

糖尿病について

1糖尿病とは
糖尿病は「インスリンの作用不足により起こる慢性の高血糖を主徴とする特徴のある代謝異常をきたす疾患群」と定義されます。中でも成人型の糖尿病は複数の遺伝因子に、過食、運動不足、肥満、ストレスなどの環境因子や加齢が加わり発症すると言われています。インスリン分泌不全は遺伝因子が強く影響し、インスリン抵抗性は遺伝因子よりむしろ環境因子が強く影響することがわかってきました。また高血糖状態がインスリン抵抗性、インスリン分泌不全をともに悪化させる要因となり、いわゆる糖毒性による悪循環のスパイラルが形成され、病状悪化に繋がります。ですから糖尿病を遺伝だけのせいにするのは誤りです。

2糖尿病に関連する用語について
※糖毒性:高血糖が長時間持続すると、膵臓からのインスリン分泌が極端に低下、インスリンを利用する細胞での糖の取り込みが低下(=インスリン抵抗性が増悪)し、双方の悪化が相乗的に作用し、更なる高血糖を招きます。この現象が糖毒性です。
※インスリン
膵臓から産生されるホルモンで、血液中に運ばれ、肝臓、筋肉、脂肪細胞などで血糖の利用を高める働きをする物質です。インスリン作用はインスリンが体の組織で、代謝能力を発揮することを指します。適切なインスリンの供給と組織のインスリン必要度のバランスがとれていれば、血糖値を含む代謝全体が正常に保たれます。インスリン分泌不足、またはインスリン抵抗性増大はインスリン作用不足をきたし、血糖値は上昇します。しかし、血糖値の上昇が軽度であれば自覚症状は乏しく、病識をもたない(気づかない)場合が多いのです。←中々治療に踏み切れない一因でもあります。
※HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
平均血糖値の指標である HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は採血時から1ヶ月~2ヶ月前頃の平均血糖値を反映し、糖尿病患者さんでは血糖コントロール状態の指標となります。もしも健康診断時のHbA1c値が6.5%以上であれば即座に糖尿病と判断されます。特定健診では5.4%を目安にしていますが、これは空腹時血糖が100mg/dl程度で経過していることを意味しています。
※インスリン抵抗性
インスリンが存在するにも関わらず、期待されるほどのインスリン作用が生体内で発揮されない状態です。肥満や運動不足がその主因といわれます。インスリン抵抗性によって引き起こされた高血糖がさらにインスリン抵抗性を悪化させ、ひいては脂肪代謝、血圧維持にも悪影響を与えるため、中性脂肪の増加、高血圧を引き起こす要因となります。

3糖尿病の疫学について
およそ人口の6~8%が糖尿病で糖尿病予備軍は8~10%程度といわれています。2008年現在、日本人の1500~1800万人が糖尿病および予備軍に相当します。糖尿病の人は健康寿命が約15年短いと言われており、糖尿病は初期からしっかりと治療していく必要があります。糖尿病の病気の本態である慢性的に続く高血糖は網膜、腎臓、皮膚の小さな血管や、心臓、脳などの中小動脈に障害を起こします。また神経障害、白内障なども合併し、日常生活に著しい障害をきたすことが知られています。そのため、血糖値の測定のみならず、心電図検査等の循環器系検査や尿検査による腎障害のチェック、また眼底検査などが必要となってくるのです。最近の報告ではメタボリックシンドロームから糖尿病を発症する可能性は約40%といわれています。メタボリックシンドロームにインスリン分泌不全(痩せ型に多い)を合併する人は20%程度でそれ以外は 痩せ型のメタボリックシンドロームでない糖尿病ということができます。(これらの人を見逃してしまう可能性が特定健診にはもありますので、健診データも糖尿病専門医や総合内科専門医などの専門家に眼を通してもらうことをお勧めします。)

4糖尿病の運動療法
糖尿病患者さんが運動をすることによってインスリンの分泌量を増やす事はできませんが、インスリン抵抗性を改善することは可能です。主にインスリンに依存性のない型の患者さんで運動が大きな効果をもたらすといわれています。
糖尿病患者さんの運動療法の適応:
空腹時血糖 110~139mg/dl で合併症がないこと
糖尿病患者さんの運動療法の条件付適応:
空腹時血糖 140~249mg/dlまたは治療中かつ禁忌の値ではなけれでば可
※男性40歳、女性50歳以上はできるだけ運動負荷試験を行う必要があります。運動負荷試験が出来ない場合は、ウォーキング程度の軽い運動処方とします。
(当院ではホルター心電図で運動負荷試験の代用することもあります。)
糖尿病患者さんの運動療法の禁忌(運動を行ってはいけないケース):空腹時血糖 250mg/dl以上 尿ケトン体 陽性 糖尿病性網膜症 あり 持続性蛋白尿がある例、腎不全例 起立性低血圧を起こす例、血管合併症、神経障害がある例 などが原則禁忌とされます。自分が運動をして良い状態か否かを医療者に確認する必要があります。
※ケトン体:糖質が十分利用できなかったり、供給が不足したりした時に生成される物質です。糖質の代わりにエネルギー源となる体内の脂肪酸が原料となります。
糖尿病患者さんではケトン体陽性は直ちにインスリン補給が必要な状態であることを示す指標です。

5糖尿病の食事療法
食事療法の原則は以下の通りです。
・適切な摂取エネルギーの決定
標準体重×25~30K/cal/日 (体重60Kgの方で1500Kcalから1800Kcal)
体脂肪1Kgは7000Kcalのエネルギーに相当する。通常は1日1200Kcal以下を長期間続けることは困難な事が多く、男性1600Kcal、女性1400Kcalで指導するのが標準的です。
・適切な栄養素の配分
蛋白質 標準体重×1.0~1.2g/日 15~20% 糖質  80~100g/日 60% 脂質20g/日 20~25% なるべく必須脂肪酸を含むこと。
微量栄養素についても万遍なく摂ること。
脂溶性ビタミン ビタミンA,D,E,K水溶性ビタミン ビタミンB群,Cなど
ミネラル Ca、Fe,Mgなど
※一般にビタミンB1、B2、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンA、D、Ca,Feが不足しがちです。場合によってはサプリメントの使用も考慮して下さい。
・食習慣の改善
腹7分目の食事を心がけ、規則的な1日3回の食事を行ってください。絶食時間の長い二食性や、まとめ食いはインスリンの過剰分泌をもたらし、食事誘導性熱産生(消化時に消費する熱量)が少なくなる可能性があり、かえって肥満を助長させることがあります。
その他の注意点としては以下のものがあげられます。
・間食は原則禁止
・夜食は避ける(吸収効率があがり、貯蔵カロリーが増えやすい)
・目に付くところに食べ物を置かない
・ゆっくり時間をかけて食事をする。
・口で30回咀嚼を行う
・体重測定を行う
 メタボリックシンドロームの基準
内臓脂肪蓄積(本来は腹部CTで測定することが望ましい 断面積≧ 100cm2)
  ウエスト周囲径 男性≧85cm
             女性≧90cm を前提として
1 高中性脂肪(トリグリセリド)値≧150mg/dlかつ/または 
  低HDLコレステロール血症<40mg/dl 
2 収縮期血圧≧130mmHgかつ/または 拡張期血圧≧85mmHg 
3 空腹時血糖≧110mg/dl 
の2項目以上に該当する場合にメタボリックシンドロームと診断できる。

糖尿病が慢性的に続くと・・・
慢性的に続く高血糖や代謝異常は網膜細小血管症(放置すれば失明に陥ります。)腎の細小血管症(放置すれば人工透析導入しなければ生命維持が困難となります。現在新規透析導入患者の原因疾患は糖尿病が最多です。)および全身の動脈硬化症(心筋梗塞、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などです。)を起こし進展させます。さらに、神経障害、白内障などの合併症も起こし、患者の生活の質(QOL)を著しく低下させることが知られています。
 そのため、血糖値の測定のみならず、心電図検査等の循環器系検査や尿検査による腎障害のチェック、また眼底検査などが必要となってくるのです。
※(今更ですが・・・)インスリンとは?
インスリンは膵臓の細胞で生成・分泌され、門脈を通り肝に達し、肝静脈を経て全身の組織に送られます。そして、インスリン感受性のある肝臓、筋肉や脂肪組織などの細胞のインスリン受容体に結合し、ブドウ糖の細胞内への取り込み、エネルギー利用や貯蔵、蛋白質の合成、細胞の増殖などを促進します。→血糖値を下げてくれる
唯一のホルモンです。
糖尿病患者さんの体内では何が起こっているのでしょう?
高血糖について
高い血糖値の持続はインスリン作用不足があることを示しています。
糖尿病型と判定する基準値程度の上昇では、多くの場合自覚症状はないため、医療機関への受診が遅れがちになります。
持続する中等度以上の高血糖により特徴ある症状(口渇、多飲、多尿、体重減少、易疲労)をきたしてきます。この状態になると大半の方は医療機関を受診されます。(しかしながら、一定期間高血糖状態に陥っていたため、治療薬への反応は不良のことも少なくありません。)

 

生活習慣病 脂質異常症について

1 脂質異常症について
脂質異常症は血液中の脂質―LDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)、HDLコレステロール―のうち、いずれかが基準を超えた値を示す場合にこのように呼ばれます。大半は健康診断で発見されます。特別な症状がないため軽視されがちですが、様々な調査から脂質異常症を放置する事で将来的に動脈硬化性疾患(心血管病、心筋梗塞や脳梗塞など)を引き起こす危険度が高いため注意が必要です。最近は食餌中の動物脂肪の含有量も増加しており、今後も脂質異常症から心血管病を発病する人は増加するものと予想されています。
血中コレステロール値に影響を与える主要な因子は食事の(1)摂取カロリー(2)摂取した脂肪の量と質、(3)コレステロールの摂取量です。また、アルコールや単純糖質(ブドウ糖、果糖、砂糖)の過剰摂取は血中トリグリセリド値を増加させるので控える必要があります。脂質異常症の中には家族性を持つ方も含まれていることが少なくありません。LDLもしくは中性脂肪が高値である高コレステロール血症のうち家族性高コレステロール血症の頻度は5%、家族性複合型高脂血症の頻度は10%と言われており、動脈硬化への進展も早いことが多いため、早期の治療開始が重要です。
基準を超えた異常値を示す場合にこのように呼ばれます。大半は無症状のうちに健康診断で発見されます。診断基準ですが、健康診断などのスクリーニング時に利用するための基準値が定められています。これは様々な疾学調査などより将来的に動脈硬化性疾患、特に冠動脈疾患の発症を促進させる危険度が高い病的脂質レベルとして設定されています。現在は動脈硬化予防のための診断基準として、総コレステロール値は外されて、低HDLコレステロール値を重視するようになりました。

2 脂質異常症診断基準
高LDLコレステロール血症   
  LDLコレステロール   140mg/dl以上
高中性脂肪(トリグリセリド)血症   中性脂肪(トリグリセリド)  150mg/dl以上
低HDLコレステロール血症
 HDLコレステロール40mg/dl未満 
上記3つのいずれかに該当する場合、脂質異常症と診断します。
※低HDLコレステロール血症
 低HDLコレステロール血症は心筋梗塞の単独の危険因子と以前から言われており、注意が必要です。(一般に男性に多い印象があります。)現在の処方薬ではHDLコレステロールを上昇させる薬剤は存在せず、運動療法の徹底、食事療法による並存すると思われる高中性脂肪血症の是正が鍵となります。最近「リカメン」というサプリメントがHDLコレステロールを上昇させるとの報告もあり、注目されています。
(当院でも採用しています。)

3 脂質異常症の治療目的
脂質異常症を診療する目的は、本邦でも死因の上位を占める冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)や脳血管障害(いわゆる脳卒中)などの動脈硬化性疾患の発症や進展を予防、治療することにあります。脂質異常症の診察では動脈硬化性疾患の病態を把握するために、危険因子の重症度を正確に評価する必要があります。
当院では以下の検査をお勧めしております。
頸部血管超音波検査(血管の動脈硬化の程度を確認します)
動脈脈波速度(いわゆる血管年齢を確認します)
などは動脈硬化の進展を把握するための検査です。

4 脂質異常症以外の冠動脈硬化危険因子とは?
脂質異常症の診療時には冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)の危険度をできるだけ正確に評価するために、LDLコレステロールだけでなく、その他の冠危険因子も合わせて評価することが重要です。
冠動脈疾患の一次予防における主要な危険因子
・高LDLコレステロール血症 140mg/dl以上
・低HDLコレステロール血症  40mg/dl未満
・加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)
・糖尿病
・高血圧
・喫煙
・冠動脈疾患の家族歴
・肥満(特に内臓脂肪型肥満)※
※ガイドラインでは肥満が主要な危険因子とはされていませんが、内臓脂肪型肥満は高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症、高血圧、糖尿病を惹起する原因となり危険因子と認識すべきです。(メタボリックシンドロームと同様です。)

5 脂質異常症診断のため測定する血清脂質
・LDLコレステロール(LDL-C) 悪玉コレステロールとも呼ばれます。
・中性脂肪(トリグリセリド:TG) 炭水化物摂取でも上昇してしまいます。
・HDLコレステロール(HDL‐C) 善玉コレステロールとも呼ばれます。
その他動脈硬化の危険因子把握のために
アポ蛋白分画、RLPコレステロール、Lp(a)などを測定することもあります。
※LDLコレステロールを計算で出す方法
(現在はLDLコレステロールを実測しているので余り使われなくなりました。)
 LDL‐C=総コレステロール(TC)-HDL‐C-(TG/5)
  注意:空腹時採血であることと、中性脂肪(トリグリセリド:TG)<400mg/dl であることが必要です。中性脂肪(トリグリセリド:TG) ≧ 400mg/dlの場合にはLDL‐Cの直接測定法を適用する必要があります。(現在はLDL-Cの直接測定が主流です)

6 脂質異常症時の食行動改善   
食行動は何年にもわたり無意識のうちに身についたものですからライフスタイルに直結していて、職種、職場環境、通勤時間とも関連してきます。行動変化を求めることは容易ではありませんが、正しい食行動を身につけるには、その自覚が第一歩となります。以下に改善可能な項目をあげます。その前提として体重コントロールがあり、毎日体重をモニターすることが重要になります。
※脂質異常症改善のための食行動
・ 1日3食の配分をほぼ均等とし、規則的に食べる
・ 腹8分目を守る
「早食い、ながら食い、まとめ食い」を避ける
・ 食物繊維を先に食べる
・ よくかんで食べる
・ まわりに食物を置かず、食環境のけじめをつける
・ 好きなものでも一人前までとして、適正量を守る
・ 就寝前の2時間は重いものを食べない
・ 食器を小ぶりにする
・ 外食では丼物より定食を選ぶ

7 脂質異常症時の脂肪摂取について
・脂肪酸の重要性(脂肪の質に注目する)
脂質を構成する脂肪酸は種類により動脈硬化への影響が異なります。
飽和脂肪酸(SFA)  パーム油、ラード、ヘッド、乳製品、牛肉、豚肉
1価不飽和脂肪酸(MUFA)  オリーブ油、菜種油、ナッツ類の油
多価不飽和脂肪酸(PUFA) n-6 リノール酸  紅花油、コーン油  
  n-3 αリノレン酸 EPA、DHA 
※多価不飽和脂肪酸は体内で生成されない必須脂肪酸です。 
動物性脂肪、乳製品などは摂取しすぎるとLDLコレステロールが増加し、冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症など)になりやすくしてしまいます。オリーブ油、ナッツ油などを摂取量増加させると冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症など)の発症を抑え、動脈硬化の進展を抑制させることが知られています。(オリーブ油摂取量の多い地域では冠動脈疾患の発生率が低いことが示されて
います。これがオリーブ油の摂取を勧める理由の一つです。)
多価不飽和脂肪酸摂取量増加はその由来により効果が異なってきます。
紅花油、コーン油などの摂取量増加はLDLコレステロールを低下させます。
魚油由来のn-3系多価不飽和脂肪酸摂取量を増加させると中性脂肪値が低下することが知られています。
・ 脂肪摂取量を低下させることは正しい? 
一般にいわれる低脂肪ダイエットによってもコレステロールの低下作用は少なく、冠動脈疾患の罹患率を有意に減らしませんでした。
→成功例が少ないことも一因とは思われますが、偏った栄養素を摂るダイエット法が専門家には受け入れられ難い理由の一つです。もちろん肥満の改善効果はあるため、脂肪摂取量を減らす事は必要です。
・ 多価不飽和脂肪酸(PUFA)(主に魚油)を多く含む食事療法は正しい?
コレステロール低下作用があり、冠動脈疾患の罹患率も10%以上(20~40%程度)減少させました。
→ EPA,DHAなどを増やすと冠動脈疾患になりにくいことがわかってきました。
→魚食分化の根づいている日本では本来動脈硬化はそれ程多くありません。
※トランス脂肪酸について
マーガリン、ポテトチップス、チキンナゲットなど植物油を使う食材に多く含まれるトランス脂肪酸は動脈硬化性疾患の危険因子といわれ、アメリカでは既に規制対象となっています。(アメリカの多くの大手ファストフード店ではトランス脂肪酸使用を中止したことを発表しています。)トランス脂肪酸の作用により脂肪細胞内で炎症を引き起こすことが知られており(メタボリックシンドロームと同様の状態になることが予想されます)、トランス脂肪酸1日平均摂取量が1.56gと少ない日本でも(アメリカ5.8g)、摂取制限は決めるべきとの専門家の意見もあります。(若年者のチキンナゲット、ポテトフライを食べれば摂取量は増加します)
2000年の時点で1日平均コレステロール摂取量はアメリカの同年代の平均値よりどの年代でも高い(既にアメリカはコレステロール摂取量を減らす努力をしている)という
事実を知るべきだと思います。

8 脂質異常症の薬物療法
・ スタチン系コレステロール低下薬:LDLコレステロール低下作用と軽度のHDLコレステロール増加作用があります。また、中性脂肪の低下作用も併せ持つとされています。副作用は消化器症状、横紋筋融解症(重篤なことあり)、肝機能障害、CPK上昇などがあり、定期的な血液検査が必要です。
・ フィブラート系コレステロール低下薬:主に中性脂肪の低下作用を持つ薬剤です。副作用はスタチン系薬剤同様、横紋筋融解症(重篤なことあり)、肝機能障害、CPK上昇などがあり、現状では余程の事情がなければスタチン系との併用は行うべきではありません。
・ EPA製剤:魚油抽出の精製されたEPAを使用しています。LDLコレステロール低下作用、中性脂肪低下作用があり、血小板凝集抑制や動脈の弾力性の保持作用などがあり、動脈硬化性疾患を既に起こした方にも一定の効果を示すことが証明されています。
・ エゼミチブ(コレステロール吸収阻剤):小腸でのコレステロール吸収を抑制することでLDLコレステロール低下作用、中性脂肪低下作用をきたします。スタチン系薬剤との相性もよく、併用でコレステロール低下作用が増強します。
肥満者、糖尿病、狭心症、心筋梗塞、高コレステロール血症患者さんではコレステロール吸収が亢進していることが多く、良い適応となります。

 

運動関連の話

運動関連のトピックスなどを不定期に掲載します。
<ランニング障害と走行距離の関係>
暖かくなってきて運動を再開する方も増えてくる季節です。障害予防のためのランニング距離の目安を以下に示します。
中学生   5~10Km/日 月間200Km以内
高校生   15Km/日   月間400Km以内
大学・実業団 30Km/日  月間700Km以内
中高年ランナー      月間200Km以内
どうですか?これでは少なすぎると感じている方はくれぐれも下肢の慢性障害に罹患しないように注意して運動を継続して下さい。

 

スポーツ貧血について

スポーツ選手の貧血
スポーツ選手に貧血が多いことは良く知られていますが、多くの場合、以下のデータに示すように女性の持久系スポーツ(中・長距離選手)に多い傾向があります。また、女性の場合、婦人科疾患(卵巣、子宮などの病気)の隠されている可能性があったり、中高年男性では消化器系の疾患(胃潰瘍、胃がんなど)の可能性があったりするため、「貧血=鉄剤の投与」と言う安易な思い込みは危険です。
<一般人における貧血の頻度>
男性 数% 女性 10%程度の頻度です。生理があるため一般には女性の病気と考えられがちですが、男性でも大酒家などは注意が必要です。
 <JOC強化指定選手での頻度>
昭和62年度  男性 7.5% 女性 21.5%
平成11年度  男性 4.7% 女性 5.4%
平成11年度に改善が見られた背景にはスポーツ栄養の知識の普及・栄養サポートの専門家の指導などが挙げられます。(裏をかえせば一般選手は自身の健康管理で栄養管理が必要であることを示唆します。)
 <国体選手での頻度>
平成8年度  男性 7.3~17.5% 女性 9.8%~23.8%
平成11年度  男性 15.6~28.6% 女性 0(?)%~35.2%
国体選手の場合は男性では中高生に、女性では高校、大学生、社会人選手に貧血が
多い傾向がありました。頻度をみてもトップアスリート以外はまだまだ解決されて
いない問題を含んでいることを如実に示しています。(問題とは、スポーツ栄養の啓蒙が不十分であること、コンビニ食などのファーストフードの普及により栄養バランスが偏りがちであること)
<鉄欠乏性貧血について>
鉄欠乏性貧血はアスリートにおこる貧血の中でも頻度の高い疾患の一つですが、以下の特徴的な所見で診断されます。
典型的な血液検査結果:1ヘモグロビン、ヘマトクリット値などの低値・2血清鉄、血清フェリチンの低値・3TIBC高値(4網状赤血球数の上昇)
足底部の衝撃による溶血性貧血やトレーニングによる血漿量増加による見かけ上の貧血もあるため上記検査できちんと鉄欠乏、鉄貯蔵の状態を知る必要があります。
一般に鉄不足の原因は以下のようなものが考えられています。

1鉄摂取量の相対的低値
2汗中の鉄分漏出
3足底血管の圧迫による機械的な衝撃(血管内溶血)
4月経血(女性)による喪失

鉄摂取の低値は栄養状態の見直しが必要ですが、足底への機械的な衝撃にはシューズの変更、走法の見直しなどが必要となります。
<スポーツ選手のための貧血予防を目的とした栄養指導>
 鉄の排泄量は成人男性で約1mg/日、女性で月経分を加えて約2mg/日といわれます。
運動による発汗は約1mg/日あるといわれるため、それに見合った鉄量の補給が常に必要となります。そこで持久性アスリートでは、蛋白質 2g/kg 鉄 25~35mg ビタミンC 250mgを1日量の最低減の目安として摂取すべきであるといわれます。(ヘム鉄は肉類に多く含まれ、鉄吸収も良いことから蛋白質は可能な限り肉類で取る事が望ましいといわれます。当院では、肉類が苦手な方のためにヘム鉄含有のサプリメントも用意しております。)
<鉄欠乏性貧血の内服治療>
 鉄剤の内服が基本です。吐き気などの消化器症状が副作用として出ることがあります。 ビタミンCのサプリメントなどを同時摂取すると鉄の吸収効率があがるといわれています。逆にお茶などのカテキン類を同時摂取すると吸収効率は悪くなりますのでご注意ください。頻度は多くありませんが、鉄剤内服による貧血改善がみられない人の中に亜鉛不足の方もあるため、サプリメントなどの亜鉛摂取と行うと貧血改善がみられることがあります。
※注射鉄剤の使用について
 貧血を早期に改善したいという思いから選手や指導者の中に注射鉄剤の使用を希望するケースがあります。実際には注射剤が内服に勝るという確固たる根拠もなく、注射剤使用では鉄過剰症を起こしたり、注射時に血圧低下などを起こしたりする事もまれにあり、安易な投与は行うべきではありません。注射鉄剤により鉄過剰症を引き起こすと臓器に鉄が沈着することで臓器障害を起こすため注射剤を使用する際には鉄欠乏量を計算して計画的に行うことが大前提です。
「たま循環器科・内科」ではスポーツ選手の貧血の相談・治療を積極的に行っていますのでお気軽にご相談下さい。